かしまを盛り上げたい!「要の地」としての鹿島
鹿島区(真野郷または北郷)は歴史の深い土地柄であり、古くから「要の地」としての役割を担ってきました。旧藩政時代も北郷は要の地として名高く、記憶に新しい2011年の未曾有の大災害の際に置いても、仮設住宅や南相馬市内の小中学校の仮設校舎が多く建てられるなど、生活再建へ向けて「要の地」としての役割をいかんなく発揮しました。
旧鹿島町史によると、鹿島は古くから真野川を中心として栄え、縄文時代の遺跡17か所、弥生時代の遺跡4か所、古墳時代の遺跡42か所を数え、真野古墳群としても有名です。また、7世紀後半から9世紀にかけて作られた製鉄遺跡群も数多くあり、この地方の豪族と中央政権との深い関わりがうかがえます。
「万葉集」に収められている歌人 笠女郎が大伴家持に贈った「陸奥の真野の草原遠けども 面影にして見ゆといふものを」は、あまりにも有名で「陸奥の真野(鹿島)」は枕詞になるほど、当時、奈良の都にも名の知れた名勝の地でした。
平安時代には仏教の伝来とともに入ってきた陰陽道が時の政権にも大きな影響を与え、鬼門にあたる方角には「邪気を封じるためにお寺や神社を建てた!」なんて話は有名ですね。鹿島にも、陰陽のバランスを意識して建てられたと思われる場所がいくつかあり、ロマンを掻き立てられます。
鹿島区には小さな祠も含めると神社系が91社、仏教系は55社あり、未だ鹿島に秘められた全容は明らかになっていませんが、これまでに地図上に現れた神社仏閣の並びをみると、古代から現代にいたる変遷の中で生み出された鹿島の魅力が浮かび上がります。
2021年秋。八咫烏が導く鹿島の歴史
八咫烏は、日本神話において神武天皇を熊野国から大和の橿原まで案内したとされ、導きの神として信仰されています。また、太陽の化身で三本の足があり、熊野本宮大社ではそれぞれ天・地・人をあらわすといわれています。津神社の横にある烏崎公会堂は、この「八咫烏」をシンボルにしています。
『奥相誌』には足利一派の岩松義政と烏崎について、このように書かれてあります。「岩松義政公、鎌倉より乗船し奥州に下り、岬浜の沖に停泊する。その時に一羽の烏が飛来して船の上に止まる。人々は怪しんだ。しばらくして立ち去り陸地の松の木にとまった。義政公はこれを見て、烏は神の使いであると言って、烏に従って上陸し大内村に居住する。村民之を崇敬して御所内と称し、また上陸地を鳥崎と名付けた。」このように、室町時代まで岬浜といっていたのを烏浜、そして烏崎と地名を変え、今に至ります。
「烏崎」の地名は、船上から一羽の鳥に導かれ上陸した場所に由来しており、泉長者や岩松氏にまつわる逸話が残っています。今回は導きの神「八咫烏」にちなんで、この烏崎の津神社がスタンプラリーの始まりの地です。鹿島をつなぐ点と線。時代の変化と共に見えてきた鹿島に秘められた魅力を、探しに行きましょう!
邪気退散かしま探険スタンプラリー概要
開催期間 | 2021年10月1日(金)~11月30日(火) |
テーマ | 烏崎公会堂のシンボルとなった導きの神「八咫烏」にちなみ烏崎津神社からスタート。 万葉集にも歌われた「陸奥の真野文化発祥の地 鹿島」を紐解きながら34の神社、仏閣を巡ります。 |
パンフレット | ダウンロード(34MB) |
台紙の設置場所 | 【鹿島区】鹿島区役所、セデッテかしま、Honda Cars南相馬鹿島店、松月堂、みそ漬処 香の蔵、若松味噌醤油店、魚菜料理 万葉亭・旅館 美晴湯 他 【原町区】南相馬観光協会、道の駅 南相馬、Info-messeだいこんや 他 |
WEB | https://lit.link/kashimamoriagetai |
https://www.facebook.com/kashimamoriage/ | |
お問い合わせ | https://line.me/R/ti/p/%40387ovoyc(LINE) 080-6016-1101(魚菜料理 万葉亭 桑折) |
かしま(南相馬)を盛り上げ隊からみなさまへ
「かしま(南相馬)を盛り上げ隊」は、鹿島区の魅力を発信し、生まれ育ったふるさとを元気にしたいとの想いから、市内在住の有志で立ち上げました。このスタンプラリーは、南相馬市が助成する「市民提案型一体感醸成事業」の採択を受け、近くにありながらもなかなか足を運ぶことがなかった神社仏閣をめぐり、地域に埋もれた魅力・資源に目を向け知るきっかけづくりにしたいと企画をしています。
これまでに「九曜紋でめぐる神社仏閣スタンプラリー(2019年)」「除疫開運神社仏閣スタンプラリー(2020年)」を開催しました。今年は、長引く新型コロナウィルスの終息を願うと共に、鹿島の歴史を紐ときながら新たな価値を提供したいとテーマを考え、神社仏閣を選定しました。
今年も、ご家族・ご友人の方とともに、いつもとは違う目線で鹿島の町を楽しんでいただけたら幸いです。